ジャーナリスト 中島 恵
2015年11月10日 05時20分
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冷め切った関係が続いてきた日本と中国。11月1日にソウルで行われた3年半ぶりの日中韓首脳会談で、関係改善の 曙光しょこう は差しかけてきたが、両国民ともお互いの生活観や人生観については知らないことの方が多い。その一例として、日本とはまるっきり事情が違う中国の子育てについて、中国に詳しいジャーナリスト、中島恵さんにリポートしてもらった。
異国へも飛んでくるジジ・ババ援軍
小学校の授業が終わり、迎えに来た祖父らと帰宅する子供たち(中国・広東省清遠市で)=田村充撮影
10月末、中国政府は1979年から続けてきた「一人っ子政策」の廃止に踏み切り、すべての夫婦が2人の子どもを持てるようにした。政策転換の背景には、深刻な人口減と経済減速があるが、中国の人々の間では「今さらそんなこといわれても……」という冷めた意見が多い。
重い住宅ローンの返済、教育費の増大がのしかかっているからだ。では、中国では夫婦共働きが大半で、子育ての大部分は祖父母が担ってきたということをご存じだろうか?
母親の負担が大きい日本とは違い、中国では祖父母など「家族総出での子育てが当たり前」。同じ東洋の国・中国だが、日中の子育て観は180度異なるのだ。
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日本ではこうはいかない。同僚や上司の冷たい視線を気にしながら仕事を無理やり切り上げ、スーパーに駆けこんで夕食の買い物を済ませ、一目散に自宅に舞い戻らなければならない日本の働くママたちからすると、ちょっと考えられないような恵まれた話だ。
だが、キャリアウーマンのこの女性のケースに限らず、中国人の場合、日本であれ欧米であれ、中国から両親がわざわざ国際線の飛行機に乗って行き、娘や孫の面倒を見るというのは“ごく普通のこと”だ。しかも、3か月、半年、あるいはもっと長い期間、同居して最前線で育児をすることもある。
日本人の感覚ではちょっと考えにくい。でも、中国人にとっては当たり前。むしろ、それをしない祖父母のほうがレアケースだ。
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むろん、中国国内にいても同様だ。北京だろうが、広東省だろうが、どれだけ距離が離れていても、娘や嫁の出産前から計画を立てて、孫の世話をすることは祖父母の義務。「子育て」ならぬ「孫育て」は彼らの“人生設計に組み込まれている”といっても過言ではない。「なぜそんなことが可能なのか?」「そういう考え方になるのか?」という疑問が浮かぶ。詳しくは『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』(中央公論新社刊)で紹介したが、そこには中国社会特有の事情がある。
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